サンプルロースターを購入してから、相変わらず週末に焙煎する日々が続いていますが、家族や友人にプレゼントしたいと思って始めたコーヒーの焙煎も、今ではライフワーク的になってきました。
とは言え、「上達したか?」と言われれば、
胸を張って「上達した!」とは言えないというのが本音です。
繰り返し焙煎をすればするほど、その難しさを痛感しています。
それでも、最初の頃より少しは慣れてきたと思うので、コツとまではいきませんが、現時点での自分なりのサンプルロースターでの焙煎方法について、自分の頭を整理するつもりでお話していきたいと思います。
焙煎方法については今後変わるかもしれませんが、今現在の焙煎方法として記録していきたいと思います。
あまり参考にならないかもしれませんが、お付き合いいただければと思います。
それではいってみましょう。
焙煎をする環境
場所
いつも焙煎している作業場は、実家の昔 商店をしていたスペースです。
少しずつDIYで改装しています。
道具たち
- サンプルロースター(パンチング無し)
- 温度計
- キッチンタイマー
- サーキュレーター(焙煎豆の冷却用)
- イワタニのカセットコンロ
- メモ帳かスマホ(私は焙煎タイマーというアプリを使っています。)
焙煎量
一度に焙煎する量(投入量)は250~350g当りが多いです。
むしろ、欲張って一度に多くの豆を焙煎しようとすると、なんだか上手くいきませんし、100gだけ焼こうとしても、やっぱり上手くいきません。
- 量を増やすと、熱量が足りない&焼きムラになりやすく、
- 量を減らすと、温度上昇が早くなりすぎて狙い通りに焙煎が進まない。
こんな印象を受けています…。
この辺は、使う熱源と生豆の量の関係だと思いますが、一度に焙煎する生豆の量を増やそうと思うと、カセットコンロでは生豆に与えるカロリーが足りなくなる印象です。
カセットコンロでは300~350gくらいが焙煎しやすいなー。と感じています。
今回焙煎してみる豆はエチオピア
さて、焙煎です。
今回は、生豆本舗さんで購入している「エチオピア グジ(ウォッシュド)」を焙煎してみたいと思います。
この「エチオピア グジ」は、小さくて可愛らしいピーベリーで、浅めに焼いても、深めに焼いても美味く、ストライクゾーンが広い印象の豆です。
ウォッシュドということもあってか、酸味が立ちすぎないのも好きなポイント。
これまでで一番多く焙煎してる銘柄の生豆だと思います。
ハンドピック
このエチオピアは、ほとんどハンドピックが必要無いくらいキレイなので、「サラッ」っと確認する程度でハンドピックにあまり時間は掛けていません。
野菜やお米と同じように「見た目が良い=美味しい」とは思っていませんが、見た目が良い生豆は扱っていて気持ちも良いです。
ちなみに、生豆本舗さんでは、欠点豆のハンドピックをした状態で送ってくれているそうなので、そのおかげかもしれません。
欠点豆を除去するハンドピックについては、いろいろと思うところがありますが、気が向いたらそういった記事も書いてみたいと思っています。
焙煎手順
今回のエチオピア グジ(W)を焙煎する時は、こんな状態に近づくように意識して焙煎をしています。
①サンプルロースターの暖気
まず、サンプルロースターの暖気です。
私は生豆を投入する前にサンプルロースターを約150℃程度まで暖機してから生豆を投入しています。
暖気した方が美味しいコーヒーに焼き上がる。と思っているというよりも
「生豆に熱が加わるスタート地点はいつも同じにしたい」というのがいつも同じ温度まで暖気している理由です。
暖気をすることで、夏でも冬でも焙煎のスタート地点が同じになり、上手くいった時はその再現性が高くなり、上手くいかなかった時は改善点を修正しやすくなります。
スタートする温度がバラバラだと何を基準に焙煎を進めていったら良いか分かりません。
結果的に豆の色味だけを頼りに焙煎を進めていくことになります。
②豆を投入~水抜き(~5分くらい)
サンプルロースターの暖気が終わったら、生豆を投入します。
サンプルロースターのドラム内の温度は90℃前後くらいまで落ちます。
火力は中火で、生豆に準備運動させるイメージで、ゆっくり、かつ、しっかりと熱を加えていきます。
水抜きとも言われる工程です。
6分前後で、湯気が出てきます。
テストスプーンを差し込んで確認してみると、写真のように生豆も緑っぽい色味から黄色っぽい色に変わってきて、チャフも剥がれてきます。
この薄い黄色になる時に、すべての豆がムラなく均一の色になっていると良い感じです。
差し込んだテストスプーンや取り出した生豆は少し湿っぽい感じがします。
温度は150℃くらい。
③ ~1ハゼまで
生豆の準備運動が終わったら、コンロの火力を上げていきます。
カセットコンロの目盛りで言うとくらい。
私の場合、【1ハゼまではこれくらいの火力】と決めて焙煎するというより、1ハゼのタイミングが【9~10分、190℃】くらいで来ることを目標にしながら火力を調整します。
時間と温度の上昇具合、さらに豆の色の変化を確認しながら火力を調整します。
「パチッパチッ」っと、1ハゼが始まると煙の量も増えてきます。
1ハゼではまだ豆にシワが寄っている状態です。
④ 1ハゼから2ハゼまで
1ハゼが始まっても、まだ火力は維持して、1ハゼがピークを過ぎたら、若干火力を落とします。
ここから、2ハゼまでシワを伸ばすイメージでサンプルロースターを気持ち(ホントに気持ち程度)ゆっくり回していきます。
この辺からの変化は速いので、テストスプーンで生豆の色味を頻繁に確認します。
忙しいですし、緊張感が高まってきます。
しばらくすると、
12分~13分くらいで「ピチッピチッ」っと2ハゼが始まります。
あとは、どの辺で引き上げるかです。
温度は210℃を超えてきます。
⑤煎り止め
2ハゼ開始で中深煎り、2ハゼピークで深煎りあたりでしょうか。
ヨシッ!というタイミングで煎り止めです。
コーヒークーラーで一気に冷まします。
今回は2ハゼピークで煎り止めにしました。
エチオピアの特徴ともいえる酸味が弱まりますが、あえて深く焙煎するのも、まろやかな感じがして好きです。
焙煎時に意識しているのは【帳尻合わせ】
サンプルロースターはアナログな手回しの焙煎機ですので、外気の影響を受けやすく、冬は温度が上がりにくく、夏は温度の上昇が早いです。
「ここまでは中火で」とか「ここからは弱火で」
のようにキッチリ決めて焙煎する感じでは無いです。
私の場合は、
【ポイント① 水抜き終了】
・6分前後 150℃ 黄色っぽい色
【ポイント② 1ハゼ開始】
・10分前後 190℃ 赤褐色でシワがよってる
【ポイント③ 2ハゼ開始】
・13分前後 210℃ 茶色でシワがキレイに伸びている
例えば…
例えば、温度と豆の色を確認しながら、
9分~10分くらいで1ハゼ(190℃くらい)になるのを狙っているのに、このままだと7分くらいで1ハゼ来ちゃいそうだな―。と思ったら火力をちょっと下げる。
とか、
このままだと1ハゼが遅くなりそうだなぁ。と思ったら火力をちょっと上げる。
こんな感じで、目標のポイントで思い描く温度に近くなるように帳尻合わせをしていく。
そんな感じです。
季節によって、又、サンプルロースター周辺の温度によって、さらには生豆の銘柄によっても温度の変化具合は結構変わるので、焙煎時の火力の調整は毎回少しずつ変わります。
なので、ポイントを決めて「温度・色づき具合」を確認・修正しながら焙煎を進めていきます。
もちろん焙煎中の温度上昇は夏場に比べて緩やかに上がるので、冬場はより気を付けて修正しながら焙煎を進めないと焙煎時間が長くなりすぎてしまいます。
アナログの手回し焙煎機で常にイメージ通りに焙煎を進行するのは至難の業ですが、目標地点を何か所か決めておけば、次のポイントまで修正する事はそう難しい事ではありません。
1分1秒、さらに1℃ごとに精神を集中して焙煎を進める事が出来れば良いのですが、私にはそれは無理でした。
それよりも、各ポイントを決めて、そこを目標に時間と温度を帳尻合わせしていく方が、安定した焙煎が出来るような感覚があります。
でも、自分が美味しく焙煎出来たデータ(時間や温度)を記録しておかないと、再現するのが難しいので、記録に残すクセを付けた方が良いと思います。
まとめ:自分の基準を見つける為に沢山焙煎しよう
ある程度、自分の各ポイントの基準が出来たら、帳尻合わせ、若しくは、豆の銘柄によって焙煎の進行具合をちょっと早めたり、遅めたりしていろいろ試しましょう。
もちろん人によって焙煎の方法は様々ですし、正解はその人によって違うのが面白さでもあるのかな?とも思っています。
なにより、私自身、焙煎を始めた事で、焙煎を生業としている全ての焙煎士(ロースター)の方には改めて最大限のリスペクトの感情が生まれましたし、当たり前に美味しい珈琲のありがたさを感じています。
珈琲好きの方、是非焙煎初めてみませんか?(笑)
私自身、失敗も成功も沢山経験して、もっと美味しいコーヒーを焙煎できるように日々精進していきたいと思います。
そのコーヒーで周りの家族や友人を笑顔に出来たら最高に幸せだなぁ。と思います。
最後に本当の感情をさらけ出すと、
フジローヤルの業務用焙煎機が
欲しい!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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